本真珠に淡水真珠、貝パール。
真珠のジュエリーひとつ選ぶのにも様々な種類があり、どれを選んだらよいかと悩んでしまいますよね。
なかでも冠婚葬祭から子どもの学校行事まで幅広く活躍する真珠のネックレスは、長年身に着けることを考えるとしっかり選びたいもの。
今回は真珠について。
意外と知らない真珠の種類や、色・形のバリエーションをご紹介いたしますね。
そもそも本真珠って?本物とイミテーションの見分け方は?
▲様々な色・形のパール
海にただよう貝が生み出した、艶やかな光彩を放つ真珠。
パッと思い浮かべるのは、丸い形のホワイトやピンクの真珠でしょうか。
実は真珠の色にはゴールドやブラックもあり、不揃いな「バロック」や涙型の「ドロップ」など
形も豊富。
そのなかでもよく耳にする「本真珠」。
いったいどのような真珠なのでしょう。
アコヤ?天然?本真珠とは
「本真珠」とは、主に「アコヤ真珠」を指す傾向にあります。
真珠の養殖が盛んになるまでは、アワビ貝から採れる真珠を「本真珠」としていました。
幅広い意味では、養殖真珠や淡水真珠を含む真珠を「本真珠」、
貝パールやガラスパールなどを「イミテーションパール」と、
区別するための名称として使用されます。
ブランドやショップによって表記が異なるため、希望する真珠の種類があるならば
購入前にしっかりと確認しましょう。
本真珠とイミテーションパールの違いは?
▲左:本パール(アコヤパール)、右:イミテーションパール(コットンパール)
本真珠とイミテーションパール。
ふたつの種類を見分ける方法はあるのでしょうか。
まず大きな違いは、本真珠は真珠層があるのに対し、イミテーションパールには真珠層がありません。
「真珠層」といった、わずか数ミクロンの層が積み重なることで生まれる本真珠。
この真珠層が真珠独特の色や輝きの理由であり、真珠層が厚いことを「巻きが良い」と表現します。
一方、イミテーションパールは真珠に似せて作られた人工的な素材で、真珠層を持ちません。
たとえばコットンパールはコットン、樹脂パールは樹脂を丸く整形したもので、母貝を必要としないのです。
本真珠とイミテーションパールを見分ける方法として、穴口の開き方を確認。
本真珠は穴口がキレイでバリもありませんが、イミテーションはそうではないので見分けるポイントになります。
また、もう一つの方法として真珠同士をこすり合わせる方法があります。
本真珠だとザラザラとした引っかかりを感じるのですが、これは積み重なった真珠層がこすれ合うため。
イミテーションパールは真珠層がないことから、この見分け方が可能なのです。
※真珠に傷をつけてしまう恐れがあるため、行う際には目立たない箇所を選びましょう。
アコヤに黒蝶、南洋真珠…真珠の種類と主な色・形
本真珠もイミテーションパールも、それぞれ魅力が異なります。
イミテーションパールは汗や水に強く、非常に軽いのも利点。
特性と用途や好みに応じて選び使い分けるのが一番ですが、そもそも真珠の種類を知らないことには選べませんよね。
ここでは真珠の種類と主な色・形や産地についてご紹介します。
真珠のジュエリーを選ぶ際の参考にしてくださいね。
【海水】
・アコヤ真珠
▲養殖されるアコヤ真珠
最も代表的な真珠で、日本で初めて養殖に成功したことから「和珠(わだま)」と呼ばれるアコヤ真珠。
アコヤ貝を母貝とし、巻き、色、てりの良い最高品質は「花珠(はなだま)」とも呼ばれます。
日本で養殖される多くはこのアコヤ真珠であり、一般的に「真珠」と聞いて思い浮かべるのもおそらくアコヤ真珠でしょう。
形:ラウンド
主な産地:日本
・白蝶真珠
▲左から白色の白蝶真珠、ゴールド色の白蝶真珠、黒蝶真珠
南洋真珠とも呼ばれ、真珠貝の中では最も大きい白蝶貝を母貝とし、20mmを超えるサイズもあります。
海の暖かさから真珠層の成長が早く、養殖期間も長いため、巻きの厚い珠が採れサイズが大きい点も魅力です。
“シロ”チョウガイと言っても、シルバー系からゴールド系など様々なバリエーションがあります。
形:ラウンド、バロック
主な産地:オーストラリア、インドネシア、ミャンマー、タイ、フィリピン、日本
・黒蝶真珠
黒真珠を生み出す黒蝶貝を母貝とし、日本では沖縄県で養殖されています。
ラウンド以外にも形の種類が豊富なのも特徴です。
黒以外のカラーバリエーションも多数存在し、中でもグリーンベースに虹色の輝きが見えるものは「ピーコック・グリーン」と呼ばれる最高級品です。
形:ラウンド、オーバル、ドロップ、バロック、ケシ、サークル
主な産地:タヒチ、クック諸島、日本
・マベ真珠
▲Houki Kougeiオリジナルジュエリーリフォーム枠【Happy Switch~Aromatic gems~】で
マベ真珠をオシャレに
その昔…美しさと希少性から「幻の真珠」と呼ばれていたそうです。
熱帯から亜熱帯の海域にかけて生息するマベ貝を母貝とし、大きくボリューム感のある半円の真珠です。
1970年にTASAKIが人口採苗技術を確立し、母貝養殖に成功しました。
主に半円真珠の養殖に用いられ、他の真珠とはひと味違う虹色の干渉色と、自然が生み出した豊富なナチュラルカラーが魅力。
形:半円、ラウンド
主な産地:日本(奄美大島)、香港、台湾、インドネシア
・アワビ真珠
他の真珠は二枚貝を母貝としますが、唯一 “巻貝” を母貝とするアワビ真珠。
日本でも古くから産出しますが数はとても少なく、深海を連想させるブルーや、孔雀の羽のようなグリーンといった美しい色も採れます。
海底を常に移動しているため、ラウンドの真珠ができにくいのもアワビ貝の特徴です。
形:バロック、円錐、半円、ボタン
主な産地:メキシコ、アメリカ、韓国、日本
【淡水】
・淡水真珠
池蝶貝(いけちょうがい)を母貝とする核を持たない真珠。
核ではなく、貝の小片を挿入するため、真珠層が厚いのが特徴です。
そのため形の種類も豊富で、オーバルにラウンド、ドロップなど様々な形があります。
大きさは2~10mmまで様々で、多彩なカラーが楽しめます。
形:ラウンド、オーバル、ライス、ドロップ、バロック、スティック、ツインなど
主な産地:中国、日本
その昔から日本人の女性にとってなじみが深く、知れば知るほど奥深い真珠の世界。
ひとつとして同じものが無く、そのひとつひとつに魅力があります。
肌に馴染む、鉱物にはない輝きと、個性豊かな形はあなたらしさを引き立てます。
優雅なイメージからか?どうしても冠婚葬祭やセレモニーに使うものという概念に偏りがちですが、実は日常使いもしやすく、どんなシーンにも映える宝石。
まずは気軽にひとつ手に取って、真珠の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?
ライター:ニシナエリカ