カメオの本物と模造品の見分け方。手彫りと機械彫りの違いは?

ジュエリー

身に纏うアートとも呼ばれる「カメオ(Cameo)」。
宝石に浮き上がる立体的な彫刻は、見る人を惹きつけてやみません。もし、カメオを迎えるなら。
あなたにぴったりのカメオに出会うために知っておきたいのはどんなことでしょう。

今回は「カメオの見分け方」。
本物と模造品の違いや、「手彫り」と「機械彫り」といった彫刻技法についてお届けします。

カメオの本物と模造品はどう見分ける?素材、造りのポイントとは

カメオの歴史やモチーフ、用いられる素材に関してはこちらの記事(カメオとは?宝石としての意味とブローチ、ペンダントの選び方|ジュエリーノート)をご覧ください。

簡単に説明すると、「カメオ(Cameo)」とはさまざまな模様を「レリーフ(浮き彫り)」で表現した宝飾品を指します。
宝石名ではなく、用いられる素材により多彩な表情をみせてくれるカメオ。
紀元前に誕生、18世紀の後期にはナポレオンがイタリアから持ち帰りフランスでも大流行。
数千年もの時を経た現代でも愛されているのです。
実はローマ時代に作られたものもごくわずかながら現存し、美術品として大英博物館に収められているものも。
ただ、古い時代に作られたから「本物」のカメオ、それ以外が「模造品」というわけではありません。
たしかにアンティーク・カメオは価値が高い傾向にありますが、カメオの素晴らしさは積み重ねた歴史の重みだけではないのです。

では「本物」と「模造品」との違いは何なのでしょうか。

素材


そのひとつが「素材」。

カメオは彫刻技法なので、そもそも素材を限定しません。
メノウやオニキスといった鉱物(ストーンカメオ)から、シェル(貝)やサンゴなどの有機物由来の宝石。
金属に彫りを施した「メタル・カメオ」もあるのです。
では「模造品」とは?
それは「本物」に見せかけ、価値や素材を偽ったカメオを指します。
「貼り合わせ」はそのひとつ。
色の異なる層を彫り込み、まるで模様が浮き出ているように見せるのはカメオの大きな特徴です。
本来であれば一枚の石から成るものを、二枚の石を貼り合わせて彫っているように見せかけているものには注意。
もちろん、「貼り合わせ」の綺麗なカメオもありますが、問題なのは「貼り合わせ」であることを伏せていること。
完璧に見極めるのは難しいですが、「層の境目に接着剤が見えないか」「境目が切れていないか」をチェックして。

造り

カメオの模造品。もうひとつの見分け方が「造り」。
たとえばカメオが留められている面ではなく、裏側を見てみてください。
見るべきポイントはカメオと枠の接地部分
境目がはっきりと分かれておらず、金属に直接プラスチックが接着されたような跡があるなら、プラスチックの可能性大。
※カメオの淵まで模様がある場合、爪がない「接着留め」でセッティングされていることも
ただし、貼り合わせやプラスチックのカメオが駄目というわけではありません。
鉱物にはない色やデザインを楽しめたり、気軽に身に付けられたりと「その素材だからこそ」の楽しみ方もあります。カメオが似合うか試したい、もっとファッションに合うものを探したいなら、あえて安価な素材のカメオから試してみるのも素敵ですね。

カメオの彫刻技法。手彫りと機械彫りの違いは?

カメオの「本物」と「模造品」。それは何を求めるかによって大きく意味合いを変えます。
アンティークか否か。または「手彫り」か「機械彫り」か。
この「手彫り」と「機械彫り」はどう異なるのでしょうか。

手彫り

名前の通り、手で彫っているため「手彫り」。
すべての工程を手作業で行う、紀元前からの彫刻技法です。

後述する「機械彫り」と比べて彫筋が異なると述べる方もいますが、多くの場合ぱっと見て見極めることは困難。

機械彫り


「手彫り」とは反対に、機械を使用するから「機械彫り」。
しかし、すべての工程で機械を用いるのではなく、手作業の工程もあります。

あまり知られていませんが機械彫りには手彫りで製作したオリジナルが必要です。
元の一点物(マスターカメオ)から型どり、複製したものが「機械彫り」のカメオ。
また、機械だから綺麗に仕上がるというわけではありません。
マスターカメオの製作には繊細で高い技術力が求められ、熟練の職人によって超音波彫刻機の操作がなされます。
「機械彫り」のカメオは一点物ではありませんが、精密な作業を経て生み出される「本物」のカメオです。

まとめ


「本物」と「模造品」。
ジュエリー・アクセサリーが好きであるほど、避けては通れない問題ですよね。

悲しい思いをしないよう、「模造品」と知らずに「本物」と誤っての購入を避けられるよう、挙げたポイントをチェックしてみてくださいね。

ただし、楽しみ方が増えるという意味では「模造品」も選択肢のひとつになりえることも忘れずに、カメオとの出会いを楽しんで。

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ライター:ニシナエリカ

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